こちらは、神谷麻穂さんの水指『汀』です。

銘「汀(みぎわ)」は、波打ち際を意味します。
神谷さんの制作地・高岡の近くには海があり、その情景が作品に投影されています。
銀彩を施したベースの上に、水飛沫や泡が揺らめく波打ち際の景色が描かれています。ところどころに淡い水色が差され、蓋のつまみや内側まで水色でまとめられているのも魅力的です。
こちらは紐作りで作られた作品。
銀彩ですので、時の経過と共に変わっていく景色もお楽しみ下さい。

サイズ:直径15.6cm,高さ15.5cm
桐箱 (只今、製作中です。桐箱のお納めは12月末、または1月上旬になります。)



神谷麻穂さんの陶芸作品は、独自の製作プロセスを通して生まれます。地面に掘った穴に石膏を流し込んだ型や、かぼちゃやズッキーニといった自然素材から作った型を作り、その型に乾燥したボソボソとした土と柔らかい土を混ぜ合わせて押しつけることで、独特な質感を生み出しています。土の質感や造形と神谷さんの記憶の中にある美しい風景やイメージを重ね合わせ、下絵や上絵、金彩などの加飾で融合することにより、華やかでありながら柔らかで品のある作品が完成します。





[ 神谷麻穂 | Asaho Kamiya ]

1986 愛知県生まれ
2012 金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科工芸専攻 修了
現在 高岡市にて制作

受賞歴
2011  第30回長三賞常滑陶芸展 入選
2012  アートアワードトーキョー丸の内2012 シュウ ウエムラ賞
2014  横浜アートコンペティション 審査員賞
2016~ ザ・プリンスギャラリー紀尾井町作品展示
2016  工芸の現在 第二回菊池寛実賞(菊池寛実記念 智美術館/東京)