こちらは、神谷麻穂さんの茶碗『ミズイロ』です。

爽やかな水色の釉薬に包まれた器の外側には花の模様や羽根が舞うような文様が描かれています。筆による描画だけでなく、溝を彫って色土を埋め込む象嵌技法も用いられているそうです。白いラインはふっくらと盛り上がり、立体感を生み出しています。また、銀彩で描かれた線が静かな華やぎを添えています。よく見ると、内側にも繊細な模様が彫り込まれています。


サイズ:直径11.1cm,高さ6.2cm
桐箱



神谷麻穂さんの陶芸作品は、独自の製作プロセスを通して生まれます。地面に掘った穴に石膏を流し込んだ型や、かぼちゃやズッキーニといった自然素材から作った型を作り、その型に乾燥したボソボソとした土と柔らかい土を混ぜ合わせて押しつけることで、独特な質感を生み出しています。土の質感や造形と神谷さんの記憶の中にある美しい風景やイメージを重ね合わせ、下絵や上絵、金彩などの加飾で融合することにより、華やかでありながら柔らかで品のある作品が完成します。





[ 神谷麻穂 | Asaho Kamiya ]

1986 愛知県生まれ
2012 金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科工芸専攻 修了
現在 高岡市にて制作

受賞歴
2011  第30回長三賞常滑陶芸展 入選
2012  アートアワードトーキョー丸の内2012 シュウ ウエムラ賞
2014  横浜アートコンペティション 審査員賞
2016~ ザ・プリンスギャラリー紀尾井町作品展示
2016  工芸の現在 第二回菊池寛実賞(菊池寛実記念 智美術館/東京)