こちらはモザイク菊花碗です。
長く伸ばした模様のガラス棒をカットし、小さなチップ状にして並べ、それを巻き込んで吹き上げる「ムラーニ技法」。この作品もその技法によって生まれましたが、このモザイク菊花シリーズは特別なガラスのピースを使って出来ています。
吹き上げた器をカットした際、根元に一つだけ現れる模様——まるで花が咲いたような、ひとつとして同じもののないかたち——その貴重な部分だけを集めて、改めて一つの器に仕立てています。
一つの茶碗を作って初めて、一つだけ得られる模様。その“唯一”を集めて作られているため、特別なお品です。
コツコツ集めた模様から生まれる菊花模様の器はとっても品よく美しい。
内側はツルツルですが、外側だけカットガラスの技法を使いマットな質感に。
内と外の質感の違うことで表情に変化が生まれています。
直径12.6cm,高さ7.9cm
みずの みさ|Misa Mizuno
透明なガラスに浮かぶ、繊細な色と模様の世界。
みずの みさ さんの作品は、複数のガラス棒を合わせ伸ばし溶かし、模様のチップを作り(金太郎飴のようにというと想像しやすいでしょうか?)、組み合わせて模様を描く「ムリーニ技法」を中心に、緻密な手仕事から生まれる独自の美しさが魅力です。
重なり合う色彩のリズム、光を透かして変化する表情。
まるで記憶の断片や夢の風景をすくい取ったような器たちは、日々の食卓や暮らしの中に、ささやかな詩情を添えてくれます。
どの作品にも共通するのは、軽やかで凛とした佇まいと、確かな技術に裏打ちされた静かな気品。眺めても、使っても、心にやさしく届くガラスです。
耐熱ガラスではありません。急激な温度変化に注意下さい。
ぬるま湯に通した後、お使いいただくと安心です。