神谷麻穂さんの陶芸作品は、自然素材から作った型を作り、土を押しつけることで作っているとご紹介しましたが、こちら『雲』は 紐状にした粘土を積み上げていき形を整えながら成形していく『紐づくり』という方法で作れられていています。
「土や釉薬の質感を楽しんでいただきたいと思い作りました。作りながら思い浮かんだ絵を入れています」と神谷さん。
もくもくと浮かぶ入道雲のような夏の景色が器の内側に広がります。
ポツポツと降る雨を思わせる釉薬の表情に、細い銀彩のラインがきらりと光を添え、移ろう自然の一瞬を映し出しています。
外側には、紐作りの跡や素朴な土の質感があらわれ、さらにパズルのピースがひとつ抜けたような箇所が、ユーモラスな個性を加えています。
内と外、異なる表情が響き合うことで、ひとつの風景画のように楽しめる一碗です。
神谷麻穂 『茶碗 雲』
サイズ 12.6cm,高さ9.8cm
(桐箱ご希望の場合は別途5,500円で製作いたします。)
[ 神谷麻穂 | Asaho Kamiya ]
1986 愛知県生まれ
2012 金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科工芸専攻 修了
現在 高岡市にて制作
受賞歴
2011 第30回長三賞常滑陶芸展 入選
2012 アートアワードトーキョー丸の内2012 シュウ ウエムラ賞
2014 横浜アートコンペティション 審査員賞
2016~ ザ・プリンスギャラリー紀尾井町作品展示
2016 工芸の現在 第二回菊池寛実賞(菊池寛実記念 智美術館/東京)