日本の伝統工芸の地、金沢で学ばれ、制作をされています。
『素材である漆は、塗り重ねるたびに空気も積み重なり、それを研ぎ出すことは、色の層と共に重なり合った周囲の音や匂いまで磨き出すようで、そこに重ねてきた時間をも感じさせます。
その美しさを表現できるのは、私が魅力を感じている箱という形体であると考え、季節の移ろいや記憶の中の景色などをモティーフに表現を試みています。
木地に、木地固め、布着せの後、下地付け、錆付け、研ぐを何度も繰り返し、
中塗りが終わった後、卵殻や貝殻、色漆などの加飾や、研ぎ、磨きなど幾つもの工程を経て生み出された作品です。
吉田まゆ作 棗『ふわふわり』(共箱付き)
ふわりふわりと、やわらかな雪が降り積もる様子をかたちにしています。
内側は春に咲く花たちが、雪の下で咲くのを楽しみに舞っているイメージです。
素材:漆、ミズメザクラ、卵殻、金粉、銀粉、錫粉、夜光貝、顔料
技法:卵殻、螺鈿、蒔絵
サイズ:直径7.4cm,高さ7.2cm
<吉田 まゆ>
1988年 千葉県生まれ
2016年 金沢美術工芸大学工芸科 漆・木工コース 卒業
2018年 金沢美術工芸大学大学院 修士課程工芸専攻 修了
2021年 金沢卯辰山工芸工房 修了